鹿島、国内初の需要家側における電力ピーク時の全自動節電制御を自社ビルに導入

 鹿島は、電力のピークをビル側で自動的に制御して、ピーク時電力の20%以上の節電を可能とする「鹿島スマート電力マネジメントシステム」を開発し、自社ビルである鹿島赤坂別館に導入、3月より運用を開始したと発表した。
 需要家側における電力ピーク時の全自動節電制御を、既存の建物に導入したのは国内で初めてとのこと。

 同社がこれまで培ってきた様々な省エネ技術のノウハウと、昨年夏季以降の節電にて実施した節電エンジニアリングを一体化し、デマンドレスポンス自動制御として完成させたのが「鹿島スマート電力マネジメントシステム」であり、今回、同社所有の鹿島赤坂別館オフィスフロアに導入し、夏季及び冬季の電力供給に対応した電力マネジメント制御の運用を開始した。

 今回導入された「鹿島スマート電力マネジメントシステム」は、赤坂別館にて既に運用されているB・OAネット(情報ネットワークと設備ネットワークの統合システム)上の中央監視装置とBEMS(ビルエネルギー管理システム、Building and Energy Management System)を連携し、指定した任意の時間帯と節電量に応じて、あらかじめ設定したデマンドレスポンスレベルで自動的に最適な制御を行い、確実で正確な節電を実現するもの。 2011年夏季の節電時に実施した節電レベルと快適性に関するアンケート結果を基に、そこで働く人間の快適性を損なわない節電ロジックを構築し、節電時間帯と節電量を設定することにより、全て自動で最適な制御を実行するシステムとなっている。

 同システムの運用により、電力ピーク時で20%以上の節電が可能となり、更に、従来管理者が手動で行っていた節電対策を自動化することにより、大幅な省力化を実現する。同システム装置は東光電気株式会社の協力により開発されている。

 同システムの制御ロジックの概要は以下の通り。

 ・外部サーバより天気予報、気温等の情報を取り込み、空調負荷予測を実施
 ・任意の節電時間帯と節電量を設定
 ・建物内での使用電力量をリアルタイムで計測し、節電量に応じた制御レベルの自動判定を実行
 ・節電時間帯において働く人間の快適性に影響のない範囲で、照明の調光、空調温度の調整、コンセント負荷のON/OFFを実行し使用電力量の低減を実施
 ・「デマンドレスポンスモード」と「省エネ節電モード」の選択が可能

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2012年5月22日 | コメント/トラックバック(0) |

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